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2018.10.16
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どうして日本人は英語が苦手になってしまうのか?
6年間も英語を勉強しているのに・・・
ほとんどの方は、少なくとも中・高の6年間は英語を学習するわけですが、高校卒業時点で英語が「使える」人はどのくらいいるのでしょう。
「海外旅行中、英語で言いたいことをうまく伝えられなかった」「外国人に英語で話しかけられたが、あまり聞き取れなかった」…といった経験がある方も少なくないのではないでしょうか。
英語を「知っている」ことと「使える」ことはイコールではありません。
6年間という長い年月をかけて英語を学習してきたのにもかかわらず、実生活では「使える」ようにはなっていないのが現状のようです。
逆に言えば、多くの人にとって、実生活に活かされるような英語の学習がなされていない、ということでもあります。
英語が使えるようにならない要因
日本人が英語をうまく使えるようにならないのには、いくつかの要因があります。これらは逆に、英語が使えるようになるためのヒントにもなり得ます。
●要因その1. 文化的背景
日本人は遠回しな言い方を好みます。自分の考えや気持ちをはっきりと率直に伝えることをあまりしません。
また、人前で間違えることに抵抗を感じがちです。間違えて恥をかきたくないという気持ちが強い人種なのかもしれません。
正しい英語でないと伝わらないかと言えば、問題なく伝わることが多いでしょう。
間違いを恐れず、伝えようとする気持ちこそが大事なのです。
●要因その2. 英語の授業形態と実情
保護者世代が思い浮かべる学校の英語の授業とは、どのようなものでしょうか。
教科書の英文を日本語に訳す、音読する。あるいは先生が日本語で文法説明をする。
教師の説明が中心の授業スタイルをイメージした方が多いのではないでしょうか。
つまり、会話の練習にあてる時間が短いのです。
英語が「使える」ということは、「読み書き」ができるだけでは十分ではありません。英語を「話す力」や「聞き取る力」、すなわち「会話する力」が必要です。
やり取りを行う中で、相手に「こんなことを伝えたい!」「こんなことを伝えるには、どんなふうに言えばいいんだろう?」という気持ちが、英語の学習意欲につながります。
伝えたいと思うことがあり、その伝え方を学ぶことで定着し、実生活の同じような状況で「使える」ようになるのです。
しかし、残念ながら現状では授業時間内の「会話」の占める割合は、0.21%程度だと言われています。
もちろん、外国語を学ぶ上で、文法の理解は必要不可欠です。しかし、それだけではその言語が「使える」ようにはなりません。
「会話」の中で自発的に使って初めて「使える」英語として定着していくのです。
そしてもう一つの問題がカタカナ英語の弊害です。会話というのは、自分が伝えるだけでなく、相手の言葉を聞き取れなければ成立しません。
「リスニングが苦手」という悩みを持つ人も少なくないのですが、その原因の一つに「正しい英語の発音に耳が慣れていない」ことが挙げられます。
授業中、生徒同士でやり取りをする際、照れから「カタカナ英語」を話していた経験はありませんか。
「カタカナ英語」に慣れてしまうと、正しい英語の発音で話す力も、正しい英語の発音を聞き取る力も育ちません。
「本物の英語」を聞く機会を早い段階から持ち、耳を慣れさせることが大切です。
●要因その3. 日本語と英語は遠い言語?
言語にはそれぞれ元となる言語があります。中国語の場合、発音はわからなくても意味は想像できる、ということがあり得ます。
『漢字』という表記の共通点があるからです。
しかし、日本語と英語は発音の仕方・表記・文法すべてが全くの別物であり、かなりかけ離れた言語であるといえます。
英語が「使える」ようになるためには?
表記や文法という「読み書きの力」は学校の授業でも自学でも、頭を使って「勉強する」ことで養うことができます。しかし、それだけでは英語が「使える」ようにはなりません。大切なのは、
・「本物の英語」を聞く
早い段階から正しい英語の発音を聞かせることで、耳を慣れさせることが大切です。
・英語を使う経験を積む
文法も発音も完璧である必要はありません。間違いを恐れず、伝えようとする気持ちが大切です。
人とのやり取りの中で、「自分の英語が伝わった」「英語で会話ができた」という成功体験を積むことが、英語を話すことに対する抵抗感をなくすことにもつながります。
言語の取得には「文法や表記の理解」と同時に「実生活に近い体験」が必要です。これから英語を学ぶ子どもたちには、「英語が話せる」という自信を持てるような学習環境を与えてあげたいものです。
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