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2018.10.30
学校教育 小学生向け
早いうちに英語を学ぶと良い本当の理由
小学生英語はこんなに変わってきています
小学生に英語教育をという動きは1990年代から重視されてきました。
2002年4月から始められた「ゆとり教育」の一環として、文部科学省は学習指導要領の中に「国際理解教育」を入れ、「国際理解に関する学習の一環として外国語会話等(英語を含む)」も行ってもよいとしました。
ただし、この段階では「英語活動」という名称で、英語は教科でもなく、専科の先生もつかない試験的な構想に過ぎませんでした。
英語が「行ってもよい」から「行うべき」学習になったのは2008年のこと。「小・中・高・大の各段階の到達度目標を立て、国語教育と矛盾しない形で、すべての段階で英語教育を強化する」とし、到達目標を定めたうえで、教科書の質・語彙数・テキストの分量を向上させました。
以後、小学生の英語教育は毎年のように拡充されてきました。
2009年には、小学校5・6年生を対象とした「共通教材」の1つとして「英語ノート」が準備されました。また2011年には小学生の英語活動が、週1コマ相当ですが、全国的に始まりました。
2017年3月には、小学生が学ぶ言語教育の教材が初めて誕生しました。外国語補助教材3~4年生「Let’s Try!」5~6年生「We Can!」です。
日本語が少なく、聞くことがメインになっていて「デジタル教科書に入っている大量の英語を聞いて答える」というリスニングとスピーキングの比重が高いスタイルになっています。
2018〜19年度は、これまでの英語の必須化をいよいよ正式な教科として円滑に移行できるように準備が推し進められています。外国語補助教員の増員や授業のマニュアルなども検討されています。
小学生から英語を始める本当の意味とは
「日本の大学生は、中・高・大と10年近く英語を勉強しているのに、アメリカ人の10歳の子どもにも劣る。だから、やっぱり小さい時から英語学習を始めたほうがいいよね」と言う大人がいます。
しかしそれは一日中母語に取り囲まれ、親(または、世話をする人)が赤ちゃんに合わせた話し方をし、子どもに愛情あふれた言葉で話しかけるからであり、それが10年間蓄積された結果、スムーズな日常会話につながっているのです。
単純計算で、アメリカの子どもが仮に1日10時間、10年間で約3万6千時間英語に触れているとして、日本の大学生は週3時間の英語授業で10年間の勉強時間とすれば約1千時間にしかなりません。
日本人が英語を習得するのは、全く楽ではありません。
とはいえ、小学生から英語を始める利点はあるのでしょうか。
子どもは耳が良いから、早くから音声を聞かせるのは上達が速く、立派な発音が身に付くという点が1つあります。
「英語って日本語と違って、すごく強く発音したり、破裂するように発音するんだね!面白いね」と感激する小学生がいます。
このように自発的に英語に興味を持ち、次々と語彙を増やしたいという意欲に結び付くきっかけを与えられる点も加えられます。
さらに、例えば日本語では「お・お・さ・か」と平坦に言うのに、英語では「お・お・さ・か」と下線部のところを強勢して言うといった違いがある一方、日本語で「どうぶつえん」を「どーぶつえん」と延ばして言うように、英語でも「an(アン) apple(アップル)」とは読まずan(ア) apple(ナップル)とnとaを続けてna(ナ)と読むという似通ったところもあります。
それぞれの言語の特色に気づき、英語の発音・リズム・イントネーションに親しみながら身に付けられるのも小学生の良いところです。
くり返しますが、英語は漫然と楽しんでいるうちに自然と身に付くものではありません。
だからこそ、単純で単調な作業のため軽視されがちな、単語や簡単な会話表現のリスニングのリピートを、小学生の段階で体で吸収させることには大きなメリットがあるといえます。
小学生の基礎力の次に、ルールを教える中学・高校にバトンタッチされます。
テニスプレーヤーでもボールとラケットだけでは世界のトッププレーヤーにはなれません、テニスのルールも覚えなければなりません。
英語もルールが加わってこそ正確な文章が書け、相手に伝わる会話ができるようになるのです。
日常会話のできる大学生になるためには、どれだけ基礎的な訓練をしてきたかによります。
より多くの小学生に、ことばを学ぶことの楽しさを知ってほしい、強い動機付けを得て英語学習に取り組んでほしいと願っています。