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2018.06.06

学校教育 小学生向け

親しみやすいけど難しい?小学生英語の教科書

英語の授業は小学3年生から

2020年度からの新しい学習指導要領で小学校の英語教育が大きく変わること、このサイトでは声を大にしてご紹介しています。

でも、具体的にどんな点が新しくなるのでしょうか?

最もわかりやすい変更点は2つ。「小3から授業がスタートする」ことと、「小5・6は英語が正式教科化する」ことです。

今までの小学5・6年生は、「外国語活動」として英語に触れてきました。習得というよりも、慣れ親しむことが中心。この「外国語活動」が、今度は小学3・4年生で実施することになります。その分、5・6年生は「教科」となることになりました。

教科化されるということは、成績評価もされるということになります。ただし、現状多くの小学校では、数値による評価ではなく、文章表記による評価となる見込みです。

 

学ぶ内容も大きく変化

早くも2018年度から、新たな外国語教育への移行が始まっています。5・6年生は英語を正式教科として学ぶようになりました。

ただし、従来の中学生の内容をそのまま前倒しするというわけではありません。小学校ではあくまで慣れ親しむことが第一で、原則として文法事項の説明はしないことになっています。

また、例えば新年度では「自己紹介」、夏休み明けには「夏休みの思い出」など、身近なテーマを取り上げているのも大きな特徴です。そのため、生活に密着した単語を幅広くかなり細かいものまで扱うこととなります。ですが、単語に関しては、書けるようにするべき単語と意味がわかれば良いという単語との区別がされていません。そのため、今後のためにどれを書けるようにするべきか、見極める必要があります。

文法に関しては、be動詞、一般動詞では、3人称による動詞の変化を扱わないなど、子どもがつまずきやすいものは極力排除しています。しかし一方で、過去形や不定詞、動名詞等、今まで中学1・2年生で学習していたような内容も小学校で学習することとなってしまっています。

 

「聞く」「話す」を重視

今までの英語教育では、英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能のうち、「読む」「書く」が重視されてきました。新しい英語学習ではここが大きく変わり、「聞く」「話す」の重要度が高くなっています。特に小学校での授業では、「聞く」→「話す」→「書く」→「読む」の流れで学習することが基本となります。

授業のやり方も、「聞く」「話す」を重要視するため、ペアワークや、アクティビティを通して習得することを目指しています。一方で、「書く」「読む」は最小限にとどめられているのが現状です。

本当に「聞く」「話す」力を伸ばすには

では、具体的にどうやって「聞く」「話す」力を伸ばしていくのでしょうか。

実際の英語教科書が文部科学省のサイトで見られます。

 

文部科学省 18年度・19年度 移行措置用教科書

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/houkoku/1382162.htm

 

イラストが非常に多く、文章が少ないため、「聞く」「話す」活動が多くなることは、想像できると思います。一方で、英語で「書く」ページはほとんどないことがわかりますね。

一見、親しみやすそう。しかし実際その通りなのでしょうか?

実際の授業では、デジタル教科書に入っている大量の英文を聞いて答えるというスタイルになっています。

でも、子どもたちの身になって考えてみてください。ある程度英語に触れてきた大人ではなく、まだ何も知らない子どもたちです。初めて触れる言語の文章をただ聞くだけでは、何を言っているのかなんてわかりませんよね。単語も知らず、文章の成り立ちもわからないとなれば、呪文や暗号のようなもの。「聞く」「話す」だけで意味を理解するのは、逆にとても難しいことではないでしょうか。

もちろん、「聞く」「話す」ことはとても重要です。だからこそ、この技能を伸ばしていくために、「書く」「読む」活動をバランス良く組み合わせていく必要があるのです。

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