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2020.09.14
中学生向け
【数学】三角錐の体積比を楽に求められる公式 ~受験の秒殺テク(2)~
キーワードは”ちぢみ率”
高校受験を控える中学3年生の皆さんに、わずかな時間で正解を出すことができる“秒殺テクニック”を紹介していきます。
今回は、三角すいの“ちぢみ率”を求める問題を取り上げます(ちぢみ率というのは、本講義だけで使用する言い方です)。
例題を見てみましょう。
これが、ちぢみ率を求める問題。三角すい全体に対して、灰色の部分の小さな三角すいがどれくらい縮まっているのか、ということです。
これをきちんと計算しようとすると、三角すいOABCの底面を△OAB、三角すいODEFの底面を△ODEと考えて△OABと△ODEの比率を求め、CとFから底面までの距離(高さ)を比べ──という風に、とても時間がかかってしまいます。
ここで役立つのが、今回の秒殺テクニックです。
三角すいの内部で、一方向へ縮んだ三角すいの体積は、以下の公式で求めることができます。
全体の体積に、\(\frac{a}{A}\)、\(\frac{b}{B}\)、\(\frac{c}{C}\)をかけたものが、小さい三角すいの体積です。
この\(\frac{a}{A}\)、\(\frac{b}{B}\)、\(\frac{c}{C}\)をかけ合わせた分数が、本講義で“ちぢみ率”と呼んでいるもの。
ちぢみ率は、元の三角すいに対してどれくらい縮小したのかを表す分数なので、そのまま例題の答えになります。
実際に解いてみましょう。
各辺の比は、次のように表すことができます。
AO:DO=3:2
BO:EO=2:1
CO:FO=4:1
よって、全体に対する三角すいODEFのちぢみ率は、以下となります。
\cfrac{2}{3}×\cfrac{1}{2}×\cfrac{1}{4} = \cfrac{1}{12}倍
\end{eqnarray}
それでは、類題で練習してみてください。
以下が答えになります。
Q2:\(\cfrac{1}{2}×\cfrac{1}{2}×\cfrac{1}{2}=\cfrac{1}{8}\)倍
Q2は縮んでいく方向が、右下の頂点Dであることに気をつけましょう。
前回の記事 ⇒ 円すいの展開図:扇形の中心角は5秒で出せる!