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2018.11.13
学校教育 小学生向け
小学校の新英語教材「We Can!」。 具体的にはどう変わった?
自分以外の人を紹介する
既にこのサイトで詳しくお伝えしているように、2020年度、新しい学習指導要領に基づいた新しい英語教育が始まります。
これまで小学校5・6年生で実施されていた「外国語活動」が小学校3・4年生から始まり、小学校5・6年生では教科として英語の授業が始まります。
これに先立ち、2018年度から移行措置が開始されました。
そこで、ここでは具体的に、2018年度の春から小学校5・6年生で新しく使われている教材『We Can!』と、これまでの外国語活動で使われてきた『Hi, friends!』を比べてみることで、新しい英語教育が目指すものや特色を探ってみましょう。
教材はここから見られます↓
●新しい5・6年生向け教材『We Can!』
(文部科学省 新学習指導要領に対応した小学校外国語教育新教材について)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/123/houkoku/1382162.htm
●従来の5・6年生向け教材『Hi, friends!』
(文部科学省 “Hi, friends!”関連資料)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1314837.htm
お伝えした通り、新しい学習指導要領では小学校3年生から外国語活動で英語に触れることになりますから、小学校のうちに扱われる英語の表現もレベルアップします。
例えば、
小学校5年生向け
『We Can!』①
Unit 5 She can run fast. He can jump high.できること
Unit 9 Who is your hero? あこがれの人
小学校6年生向け
『We Can!』②
Unit 3 He is famous. She is great. 人物紹介
これまでの外国語活動では、自分や相手、身の回りのものについて表現する英語が扱われていましたが、新しい教材では第三者について伝え合う内容が加わっています。
中学生がつまずきやすい三単現のsについては扱われませんが、第三者について話題にすることで、表現の世界はぐっと広がります。
また、小学校6年生ではさらに、
『We Can!』②
Unit 5 My Summer Vacation 夏休みの思い出
『We Can!』②
Unit 7 My Best Memory 小学校生活・思い出
といった、過去の出来事について伝え合う単元もあります。もちろん、過去形を使って表現します。
自分の国や地域について話す
6年生向け教材『We Can!』では、次のような内容も特徴です。
『We Can!』②
Unit 2 Welcome to Japan. 日本の文化
Unit 7 I like my town. 自分たちの町・地域
日本文化や自分の地域について伝え合う単元です。Unit 7のページには「町のミニポスターを作ろう」というアクティビティも掲載されています。
社会科や生活科の授業を思わせるような内容です。
学習指導要領では、英語の教材について、「わが国の文化や、英語の背景にある文化に対する関心を高め、理解を深めようとする態度を養うことに役立つ」ものであることが定められています。
また、言語活動で使う題材については、「児童の興味・関心に合ったものとし、国語科や音楽科、図画工作など、他の教科等で児童が学習したり、学校行事で扱う内容と関連付けたりするなどの工夫をすること」と定められています。
これまでの外国語活動の学習指導要領にも同様の記述がありましたが、小学校3年生から英語を経験し、教科化されたことで、より高度な内容を扱うことが可能になり、自身の経験や知識を深めて、「英語の表現を学ぶ」だけでなく「英語で表現する」授業の実現に近づいているのだと思います。
「相手を思って伝える」を重視
さらに、新しい教材『We Can!』と従来の教材『Hi, friends!』の年間指導計画例を比較してみましょう。
それぞれ、すべての単元の目標に共通する言葉が見つかります。『Hi, friends!』では「積極的に」でしたが、『We Can!』では「他者に配慮しながら」という言葉が全部に出てきます。
ちなみに、小学校3・4年生用の新しい教材『Let’s Try!』の年間指導計画例では「相手に伝わるように工夫しながら」が共通ワードです。
他者・相手への配慮は、新学習指導要領の目標に新しく追加された言葉です。ただ単に言いたいことが言えればいい、というのではなく、相手に伝わるように工夫して、さらに、場面や相手との関係性、相手の気持ちも考慮して伝えることを目指しているのです。
国際社会の一員として、考え、感じ、伝え合う。これから英語を勉強する子どもたちには、将来、そんなスキルが求められ、そして身に付いていくのでしょう。
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