- SHUEI 勉強ラボ TOP
- 中学生向け
- 【数学】比の合成を極めよう! ~‟面積比”集中特訓(4)~
2021.01.12
中学生向け
【数学】比の合成を極めよう! ~‟面積比”集中特訓(4)~
異なる比を‟合成”して‟連比”を作り出す
苦手な生徒が多い「面積比」の問題。
その解法のポイントを、全6回にわけて解説していきます。
面積比の問題を解く手順は合っていたけれど、比の扱いに慣れておらず正解が出せなかった……。
そういった残念なケースもあると思います。
面積比の問題で得点するためには、比を上手く扱えるようになることが重要です。
今回は、“比の合成”というテクニックを練習します。
必ず役に立つ手法なので、しっかり習得しましょう。
まずは、純粋な比の問題から見てみましょう。
母と兄の身長比は\(9:8\)、兄と弟の身長比は\(12:11\)である。母の身長が\(162cm\)のとき、弟の身長を答えよ。
これは小学校6年生の問題です。
母と弟を比べれば良いので、
\begin{eqnarray}母:弟&=&9:11\\
162:x&=&9:11 \\
x&=&198cm
\end{eqnarray}
と計算してしまった方がいたら、これはまちがい。不正解です。
何がいけなかったのかというと、母と兄、兄と弟の身長比はそれぞれ別の関係であるにもかかわらず、そのまま母と弟をつなげてしまったことが、大きなミスでした。
① 母:兄 = 9:8
② 兄:弟 = 12:11
このように2つの比を並べてみると、兄の身長比の数字が異なっているとわかります。
よって、兄の数字を揃えなければ、母と弟を比較することはできません。
そのため、兄の身長比を8と12の最小公倍数である24にしてみましょう。
それに合わせて、母の身長比を3倍、弟の身長比を2倍します。
① 母:兄 = 9:8
② 兄:弟 = 12:11
↓ ①を3倍、②を2倍
① 母:兄 = 27:24
② 兄:弟 = 24:22
これをまとめると、次のように表せます。
母:兄:弟 = \(27:24:22\)
このように、3つ以上の項目を並べた比率を「連比」といいます。
2つの異なる比を「合成」して、「連比」を作ったわけです。
この連比を使えば、母と弟を比較して正解を導き出せます。
\begin{eqnarray}母:弟&=&27:22\\
162:x&=&27:22\\
x&=&\frac{162×22}{27} \\
\\
x&=&132cm
\end{eqnarray}
続いて、比の合成を面積比の問題に適用してみましょう。
△ABCがあり、辺BCを3:5にわける点がD、ADを4:3にわける点がEとなっています。
このとき、△ABEの面積は△ABCの何倍でしょうか?
解き方は前回と同じです。
まず△ABEの隣に、背中合わせで並んだ高さが同じ△BDEがあります。
底辺の比がAE:DE=4:3なので、面積比も\(△ABE:△BDE=4:3\)。
また、△ABDと△ACDも①の型になっているので、底辺の比=3:5より、面積比は\(△ABD:△ACD=3:5\)となります。
ここからが重要です。
いま作った2つの比を使って答えを出したいのですが、以下のように△ABDの数字が合いません。
ここで、比の合成を使います。
7と3を、最小公倍数の21に揃えましょう。
これを図に表してみます。
\(△ABE\)は\(12\)、全体は\(12+9+35=56\)となるので、答えは\(12÷56=\cfrac{3}{14}倍\)です。