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2021.01.25

中学生向け

【数学】”対角線の入った台形” “一角共有の三角形”  ~‟面積比”集中特訓(6)~

台形を対角線でわけたときにできる三角形の面積比

苦手な生徒が多い「面積比」の問題。

その解法のポイントを、全6回にわけて解説していきます。

 

前回の記事 ⇒ 面積比は全体から攻めると求めやすい!?

 

これまでの内容が身についていれば、基本的な面積比の問題は解けるようになっているはずです。

最後のレッスンでは、新しい“型”を2つおぼえていきましょう。

 

 

台形ABCDがあり、上底:下底は2:3、対角線BDを5:3にわける点がEとなっています。

台形ABCDの面積が80cm2のとき、△BCEの面積はいくつでしょうか。

 

まずは、この問題を解くための、新しい型を紹介します。

 

 

こちらは全く新しい知識というわけではなく、高さが同じ2つの三角形が隣り合っている①の型の仲間といえます。

台形を1本の対角線でわけたときにできる2つの三角形は、上底と下底が平行であるため、高さが共通です。そのため、面積比は上底と下底の比と等しくなるのです。

 

この⑤の型を踏まえて、例題を解いてみましょう。

 

例題の台形ABCDは対角線BDで2つの三角形にわけられます。

よって、△ABDと△BCDの面積比は上底(AD)と下底(BC)の比と等しいので2:3。

△BCDは台形全体を5等分したうちの3つ分なので、その面積は以下となります。

 

\begin{eqnarray}△BCD=80×\frac{3}{5}=48cm^2\end{eqnarray}

 

 

続いて、△BCEと△CDEが隣り合う三角形の型であることに注目。

底辺の比が5:3なので、両者の面積比も5:3です。

つまり、△BCEは△BCDを8等分したうちの5つ分だとわかります。

こちらが答えです。

 

\begin{eqnarray}△BCE=48×\frac{5}{8}=30cm^2\end{eqnarray}

 

ひとつの角を共有する2つの三角形の面積比

続いての問題はこちらです。

 

 

△ABCがあり、ABの中点がD、ACを5:2にわける点がEとなっています。

このとき、△ADEの面積は△ABCの何倍でしょうか?

 

これをそのまま解こうとすると、今まで習ったいずれの型も当てはまらないので、次に進めません。

そこで、補助線を引きましょう。

 

 

今回は、隣り合わせの三角形の型①を作るために、DCという補助線を引きました。

そうすると、全体の面積をSとしたとき、点DはABの中点なので、△ADCの面積を\(\displaystyle \frac{1}{2}S\)と表すことができます。

 

 

続いて、△ADCの中を見てみると、△ADEと△CDEが①の型になっているので、底辺の比5:2と同じく、\(△ADE:△CDE\)も\(5:2\)。

つまり、△ADEは△ADC(\( \frac{1}{2}S\))を7等分したうちの5つ分なので、その面積は次の通りです。

 

\begin{eqnarray}△ADE=\frac{1}{2}S×\frac{5}{7} = \frac{5}{14}S \end{eqnarray}

 

例題の答えは、\(\displaystyle \frac{5}{14}\)倍となります。

 

このように、補助線を1本引くことでスムーズに解くことができましたが、「ひとつの角を共有する2つの三角形」という一角共有のパターンは非常によく登場します。

そのため、次の公式をおぼえてしまいましょう。

 

 

なお、“ちぢみ率”というのはこのレッスンだけで使用している言葉で、決して一般的な名称ではないので注意してください。

 

これにて「“面積比”集中特訓」は終了です。

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