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2022年12月06日
理科の話「海はなぜ塩味なのか」
皆さんこんにちは。沼津本部校の杉本です。
○○の話第2弾。今回は海がなぜしょっぱいと感じるのかについて書いてみたいと思います。身近な現象の中に潜む不思議を理解する。すべての科学はここが出発点だと思います。
1.そもそも「塩味」とは何?
人や動物が塩味を感じる仕組みは、世界中で研究がされています。実は、甘味や酸味を感じる仕組みに比べ塩味を感じる研究は難しいとされてきました。
そんな中でもどうやら、「ナトリウムイオン」が関係している、ということが分かったのです。
食塩の主原料、塩化ナトリウムが電離して生じるナトリウムイオンが舌にある味蕾に触れると電気信号が発生し、塩味を感じるという仕組みになっているようです。
2.海水がしょっぱい理由
ということは、海水をしょっぱく感じる理由は、「海水にはナトリウムイオンが溶けているから」ということになります。では次の疑問として、「なぜ海にはナトリウムイオンが溶けているのか」が浮かびますね。
そもそもナトリウムは金属の元素です。岩石や土の中に含まれています。
実は大昔の海というのは、大気中に多く存在していた二酸化炭素などを含んだ酸性雨によって作られた、酸性の海だったといわれています。塩素も大量に溶け込んでおり、「塩酸」といって差し支えない状況だったとされています。
塩酸にイオン化傾向の大きい金属を入れると…そう、溶けてイオンになっていくんですね。この酸性の海が岩石中に含まれているナトリウムを溶かし出し、現在の海になったという説が今は有力です。
こうして、海というのはしょっぱくなっていったわけです。
中3の理科で学んだイオンのお話は、こういう原理の解明に使われるんですね。
ただ用語を学ぶだけでなく、そこからわかる様々なことを知っていくと、また一つ勉強が面白くなると思います。
機会があればまたお話したいと思います
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