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2021年03月28日
成長を感じる季節
美しい桜を見るたび、「日本に生まれてよかった」としみじみ思います。
今でこそそんな風に思いますが、10代20代の頃は、桜の美しさにあまり気がついていませんでした。
その美しさを知ったのは、娘の誕生がきっかけかもしれません。
結婚してすぐに授かった命でしたが、安定期と言われる時期を過ぎたころ、
「子宮内胎児発育不全」と診断され、妻のお腹の中でなかなか大きく育ちませんでした。
その後、妻は妊娠6か月のときに、かかりつけの産婦人科に入院することになり、
数週間後には別の大学病院に転院しました。小さく生まれることがわかっていたので、
「せめて学年の一番初めにしてあげたい」との親心から、
4月2日を手術の日にしてもらうよう担当医にお願いしました。
予定日より一か月半早く帝王切開で生まれた娘は、体重が1500gほどしかなく、
そのままNICU(新生児集中治療室)に入りました。
小さな体に何本ものチューブが付けられ保育器に入った娘を見た時、
「こんなに小さくて本当に無事に育つだろうか」と、不安でいっぱいでした。
娘が生まれてから面会のため毎日大学病院に通いましたが、
病院の敷地にある桜並木が本当にきれいでした。
「娘にも早くこの桜のある外の世界を見せてあげたい」
そんなことを思いながら通いました。
娘が無事に退院できたのは、生まれてから2か月近くたった5月下旬です。
桜並木だった場所も、すっかり新緑で覆われていました。
桜の季節になると、娘が生まれたときのことをよく思い出します。
あんなに小さかった娘も、4月から中学2年生になります。
今では母親と同じくらいの背丈になり、反抗期真っ只中です。
進級、進学の春は、子ども達の成長を感じる時期ですね。
秀英に通う子ども達がさらに飛躍できるよう、しっかりとサポートしていきたいと思います。
(2018年3月コラムを一部加筆)
室長 根本
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