皆さんこんにちは。講師の久保田です

「スピンオフ」はご存知でしょうか？
例えばドラマやアニメーション、コミックスの作品で人気となった名脇役にフォーカスした、本編の関連作品のことです。
言い換えるならば、視点を変えること。
それが「スピンオフ」です。

このスピンオフ、実は小説や評論の読解に便利な方法でもあります。
例えば、小説において語り手というのは大きく分けて2種類あります。一人称視点と、三人称視点です。
このスピンオフは特に一人称視点の小説の読解をより深く味わうために便利な方法です。

普通、一人称視点の小説では主人公の視点で物事が語られます。
しかし言い換えるなら、主人公の感想しか読者がその小説世界を知ることができないのです。
これでは客観的に小説世界の状況を知ることができません。

ここでスピンオフを使ってみましょう。
例えば主人公の友人の視点に立ってみる。そうすると、意外に主人公の視点が偏見まみれだったりします。もしかすると、世間知らずな人間かもしれないし、優しすぎる性格の持ち主かもしれません。
主人公以外の視点に立つと、靄がかかっていた部分が、意外とスッキリ晴れることが多いです。
意識的にスピンオフして小説を読むことも、読解の一つの方法であると私は思います。

このような方法は勉強としてだけではなく、好きな小説を読んだり、ドラマや映画を見る時も使えます。
確かに国語の読解は勉強の一つではありますが、好きな作品を楽しむ時と同じ姿勢で楽しもうとすることも、大切かもしれません。
国語の勉強、頑張っていきましょう。