東豊田校 校舎ブログ

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2022年02月01日
助動詞「う」「よう」の怪

みなさんこんにちは
東豊田校の竹内です。

東豊田中の中学2年生の学年末テスト範囲に
国語の文法として「助動詞」の単元が入っています。

そんな助動詞について、とある生徒からの質問

「テキストに『助詞は活用がない、助動詞は活用がある』みたいなことが書いてあったけど、助動詞の『う』『よう』って活用してない(添付画像参照)じゃん!矛盾してる!」


なるほど、いい質問


竹内の回答
結論から言うと、「昔は活用した」んだよ。

「う」は、昔は「む」だった
たとえば
現代語の「行こう」を、古文っぽく言うと「行かむ」
「帰ろう」は「帰らむ」
「行かむ」「帰らむ」が時を経て「行こう」「帰ろう」に変化したわけ

そして、古文の「む」には実は活用があったの
例文
「わが身こそあら
この「め」は「む」が変化したもの

昔は活用があったの
ただ、「む」が「う」に変わったときに
活用がなくなってしまった

だから、現代では活用しないけど、「う」は助動詞なの
ちなみに「まい」も同じように現代では活用しないけど、語源になっている古文の「まじ」は活用してたんだよ


ブログを見ている中高生のみなさんも、このあたりの豆知識を頭に入れておくと、いざというときに役立つかも!



・・・・・・・・・・・・・・・・
ここから独り言

上のような豆知識を披露したところで、
竹内の頭の中には何だか、もやっとした、腑に落ちない感覚が残りました。

「昔は活用したから、「う」「よう」「まい」は助動詞」
という説明、これってどうなんだろう。

「う」「よう」「まい」は見かけの上では活用しない、は事実
これらの助動詞が「昔は活用していた」のも、事実

だから、「(見かけ上)活用しない助動詞がある」という矛盾を飲み込むための考え方として「こいつらも昔は活用したんだよ」という事実を伝えるのはありだと思うけど、
なんだかどうも本質をついていない気がする、、、

その後、
いろいろ調べたり、考えたりすること十数分…
なんとなくもやもやの正体がわかってきました。

そもそも「助動詞」という概念の本質は、
「動詞と同じような使われ方をするけど、他の用言に意味を添えるだけのもの」
という感じなんですね

たとえば、終止形と連体形を見分けるときに
「。」で終わらせたり、「こと(とき)」につなげたりして確認する
助動詞「う」の終止形はもちろん「~う。」だし、
連体形も「う(とき)」になる。
例文「彼がそんなことを言おものならば、」
同じ形ですね。

ここで、「助詞」について考えてみる。
助詞の「が」とか「ので」とか「かしら」には
そもそも活用という概念がそぐわない。
格助詞「が」の後に「。」をつけるとか、「こと」をつけるとか意味わかんないですよね。そもそもそういうポジションの単語ではない

助動詞は、(実際に形が変わるかどうかは別にして)「活用」という枠組みには収まっている

だから、
「「う」「よう」は活用しないのに、なぜ「助動詞」なの?」
という質問に対する正確な回答は
「助動詞とは、動詞と同じよう使われる方をするものなんだよ。動詞と同じような、というのは『活用する可能性がある』という言い方もできる。「。」で終わらせたり、「こと」をつけたりできるでしょ。だから「う」「よう」は助動詞。
でも、現代では見かけの上で活用していないように見える助動詞も昔は活用してたんだよ・・(以下略)」

うううう…長い…。そして抽象的。
これをそのまま中2の子に言ったら失望されそう…

「正確性」と「分かりやすさ」の天秤
人に教える仕事をしていると、よく悩みますね。

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