こんにちは!
秀英予備校桑園小前校の佐藤です。
これまでに
ローマ字の起こり、
「サンマ」はなぜ「samma」なのかということについて話してきました。
今回はおまけ編! 【逆行同化現象】ンの音は6個ある!? ということをご紹介します!
前回の内容で「後の音によって発音が変わる【逆行同化現象】」というものをご紹介しましたが、覚えていますでしょうか?
忘れちゃったという方はぜひ
前回のブログを見返してみてくださいね!
まずはじめに皆さんは人と話をするときに自分の発音を意識したことはあるでしょうか?
英語の発音が苦手という人は多くいると思いますが、逆に発音が得意な人はどうやって発音をしているのでしょうか?
それは「自分がどのように声を出しているのか」というところに意識が向いているかどうかだと思います。
つまり、普段の日本語でもどのように自分が発音を行っているのかということが分かれば、英語も同じように発音を意識することができるということです。
そこで、今回はンの音が6個あるということについてご紹介したいと思います。
ンという音は様々な方法で発声することができます。
口を閉じてンと発声したり、口を開けたままンと言ったり、イの口のままンと発音したり……。
それらすべてを我々は「ン」の音だと認識することが出来ます。
このことを
【異音】と呼びます。
特に「ン」に関しては発音にブレがなく、「この音のときはこの発音のン」と条件が決まっている(これを【相補分布】と呼びます)異音のため、
【条件異音】と呼びます。
では、実際にどのような条件のときにどのような「ン」の発音をするのか。
それをまとめたのが、上の画像となります。
①パ行[p]・バ行[b]・マ行[m](両唇音)
唇を閉じてから直後息を押し出すように発音する[p,b,m]の音が続く場合、その準備として両唇を閉じる[m]の音でンを発音します。
②タ行[t]・ダ行[d]・ツ[ts]・ザ行[dz]・ナ行[n]・ラ行[ɾ](歯茎音)
舌先を上の歯茎につけて素早く舌を落とすことで発音する歯茎音が続く場合、その準備として舌先を上歯茎につける[n]の音で発音します。
③ち[tʃ]・ジャ行/ヂャ行[dʒ](後部歯茎音)に[ɲ](硬口蓋音)
舌の真ん中あたりを上歯茎の少し上側(後部歯茎)や口の天井の硬いところ(硬口蓋)と舌をくっつけてから発音する後部歯茎音・硬口蓋音を続ける場合、舌を硬口蓋をくっつけて[ɲ]という音で発音します。
④カ行[k]・ガ行[g]・か゜[ŋ](軟口蓋音)
口の天井より喉側の柔らかい部分(軟口蓋)と舌の根元をくっつけて発音する軟口蓋音が続く場合、前の音と同じように軟口蓋に舌の根元をくっつけて[ŋ]と発音します。
⑤ンが最後の音の場合
最後にンを発音する場合、後に続く音の準備をする必要がないため、舌を口の中にピッタリとくっつけて、空気が口の中に流れ込まないようにし、鼻から空気を送り出す[ɴ]という口蓋垂鼻音という発音を行います。
⑥あいうえお[a,i,ɯ,e,o](母音)ヤ行[j]/わ[w](接近音)サ行[s,ʃ]・ハ行[h,ç,ɸ](摩擦音)
声帯から音を発生させる母音、接近音という母音に非常に近い音である半母音、息を声道のどこかで摩擦させる音、これらの音が次に続く場合、直前の母音を鼻から発生させる鼻音化[ ̃]という発声方法になります。
このように日本語の発音にもたくさんの発音があり、アカサタナハマヤラワンの11種類だけではないんですね。
自分が日本語をどのように発音しているかしっかり意識しながら、英語の発音にも活かしてみてくださいね!